瞑想とは

私たちの日常生活では、いろいろなことが起こります。喜んだり、悲しんだり、怒ったりします。日常生活で感じる様々なストレス。でも、ストレスをなくすことは難しいです。大事なのは、ストレスを「なくす」ことではなく、少しの時間でもストレスから「離れる」ことです。あなたが現在、何か難しい状態にあって不快であるならば、そのことで興奮した気持ちを和らげてあげることが大事です。そのための実践方法が瞑想です。

瞑想は、今の自分の行動に意識を集中させます。今この瞬間に、自分の心の中、自分の周りにはどういうことが起こっているか観察します。
瞑想は、必ずしも座って行うものだけではありません。食事をする時は食事に集中すること。運転する時は運転に集中すること。例えば、紅茶を飲むときにおしゃべりをしながら飲むのではなく、行為そのものに集中するのです。「カップを手にもつ」「カップを口に近づける」「香りをかぐ」「飲んで味を感じる」「カップを置く」~。こうすれば、これらも瞑想になります。不思議とリラックスできるのです。

蘭華寺で毎月開催される瞑想会では、人里の喧噪を離れた本堂で、呼吸をととのえ観察するサマタ瞑想を行っています。初心者の方にもわかりやすくご説明いたします。どなたでも、ぜひご参加ください。

あなたを変える「サマタ瞑想法」の行い方

瞑想は、集中力や記憶力を高めたい、悩みやストレスを解消したい、人生の目的を知りたい、意識を高めて覚醒したいなど、様々なことに効果的です。
以下にいくつかの瞑想法をご紹介します。お好きなものから始めてみてください。
ポイントは、行動と考えを一致させること、つまり、ひとつのことに集中して雑念を減らすことです。

  1. 歩く瞑想(ウォーキングメディテーション)
  2. お茶を飲む瞑想法
  3. 身体に集中する瞑想法
  4. 数を数えながら呼吸に集中する瞑想法
  5. 呼吸に集中する瞑想法
  6. 慈悲の瞑想法

1.歩く瞑想(ウォーキングメディテーション)

1.背筋をまっすぐにして、楽な姿勢で立ちます。
視線は常に3mくらい前を見ます。

2.右足から踏み出します。
※歩くスピードは、ゆっくり楽なテンポで。普通のスピードでもOK。
※歩幅は、自分の足のサイズくらいで、楽に歩ける程度にします。
右足を出しながら、右足に集中します。
「右足を上げます」
「運びます」
「下ろします」
と心の中で言いながら、右足を動かします。

3.左足を出しながら、左足に集中します。
「左足を上げます」
「運びます」
「下ろします」
と心の中で言いながら、左足を動かします。

4.以上を繰り返します。

2.お茶を飲む瞑想法

1.お茶をテーブルの上に用意し、背筋をまっすぐにして楽な姿勢で座ります。

2.「右手を動かします」と心の中で言いながら、右手をカップに近づけていきます。
「カップをつかみます」と心の中で言いながら、カップをつかみます。
「口に近づけます」と心の中で言いながら、口に近づけます。
「一口飲みます」と心の中で言いながら、一口飲み、味わいます。
「飲み込みます」と心の中で言いながら、飲み込みます。
「カップを戻します」と心の中で言いながらカップをテーブルに戻します。

3.以上を繰り返します。

3.身体に集中する瞑想法

4の「呼吸に集中する瞑想法」の前に行うと、より効果的です。また、横になって寝る前に行ってもOKです。

1.背筋を伸ばして、楽な姿勢で座ります。

2.「頭をリラックスしましょう。リラックス、リラックス、リラックス、リラックス」と心の中で言いながら、頭に意識を向けてリラックスさせます。
「顔の筋肉をリラックスしましょう。リラックス、リラックス、リラックス、リラックス」と心の中で言いながら、顔の筋肉をリラックスさせます。
以下の部位も同様に、順番に行います。
「あご」「首」「肩」「背中の上」「背中の下」「右腕・右手」「左腕・左手」「胸」「お腹のまわり」「右足」「左足」「右足の裏」「左足の裏」。

3.「頭の上から足の裏まで、リラックスしています」と心の中で言いながら、全身をリラックスさせます。

4.数を数えながら呼吸に集中する瞑想法

初心者向けで、集中力が増します。3の「身体に集中する瞑想法」の後に続けて行うと、より効果的です。

1.背筋を伸ばして、楽な姿勢で座ります。

2.息を吸う時、「1 」と心の中で言います。
息を吐く時「2 」と心の中で言います。
※2と言うまでは、「1,1,1,1…… 」と、1に集中しながら、息を吸います。
※3と言うまでは、「2,2,2,2,2」と、2に集中しながら、息を吐きます。
息を吸う時「3 」と心の中で言い、4と言うまでは3に集中します。
息を吐く時「4 」と心の中で言い、5と言うまでは4に集中します。

3.以降も、順番に数字を言いながら、しばらくこの呼吸法を続けます。

5.呼吸に集中する瞑想法

集中力が増します。3の「身体に集中する瞑想法」の後に続けて行うと、より効果的です。

1.背筋を伸ばして楽な姿勢で座ります。

2.目をつぶり、呼吸に意識を集中します。
吸う時は「吸ってます、吸ってます」と心の中で言いながら、吸うことに集中します。
吐く時は、「吐いてます、吐いてます」と心の中で言いながら、吐くことに集中します。
吸う時に、さらに息がどこから入って鼻の奥のどこに当たるのかを感じながら吸ってみます。
吐く時に、さらに息がどこを通って出ていくのかを感じながら吐いてみます。

3.以上を繰り返します。

6.慈悲の瞑想法

寝る前に行うと、ぐっすり眠れます。
また、願いごとが叶いやすくなります。

1.楽な姿勢であれば、座って行っても、横になって行ってもOK です。

2.「私は幸せになります」「私の願い事が叶います」「私は悟りの道が開きます」などという言葉を、繰り返し唱えることに集中します。
※願い事は具体的なことでもかまいません。
※自分の願い事のほかに、家族や知人の願い事を言ってもかまいません。